「遺品整理」を始める5つのタイミングと時期

大切な家族が亡くなった後に行うことの一つに「遺品整理」があります。

遺品整理はどのタイミングで始めるべきなのか・・・分からない方も多いでしょう。
正直に言うと遺品整理を始める時期に正解はありません。が、故人が賃貸物件に住んでいた場合や、法律上期限が定められている必要な手続きもあります。
また、時間面、金銭面、心身面と自身の負担も考慮し、後々トラブルに発展しないためにも遺品整理は一人で行わず、親族(相続人)が揃っているタイミングで行うのが望ましいでしょう。

遺品整理は誰が行ってもいいわけではなく、遺品を相続した人すなわち相続人が行わなければなりません。。
その理由は、遺品を相続すればその遺品は相続人が所有者となるため、法的に遺品は相続人の相続財産となります。そのため、どんなに古い家財道具などであっても相続人ではない者が勝手に処分をすることはできません。
もし、自分だけで行う場合は他に相続人がいるのであれば、必ず全ての相続人に「遺品整理」を行う趣旨の連絡をし、全員の承諾を取らなくてはなりません。
今回は、それらを踏まえながら一般的な「遺品整理」を始めるタイミングと時期を5つに分けてお伝えしていきます。


「遺品整理」を始める5つのタイミングと時期

1.葬儀後(亡くなってから7日後~)

遺品整理を始めるのに一番早いタイミングは、葬儀直後です。
一般的に葬儀は、亡くなった翌日が通夜、翌々日が葬儀及び、告別式とされています。

葬儀直後は、相続人や親族が揃ってるという点からも、遺品整理を始めやすいといえます。
また、故人が賃貸物件に住んでた場合、死亡後でも毎月の賃料は発生しますし、施設に入居していた場合は、施設によりますが「死亡後、〇日以内に退去」と決められている所もあるので、事前に確認をとっておくようにしましょう。

しかし、葬儀直後はまだ精神的に遺品整理を始められる状態ではないことが殆どです。
部屋をすぐ明け渡さないといけない、親族(相続人)が海外などの遠方に住んでるなど、急を要する必要がなければ、無理せず別の時期とタイミングで始めても良いでしょう。

【葬儀後の遺品整理がおすすめな例】

●故人が賃貸物件や退去期限が早い施設に入居してた
●孤独死や事故、事件など事情がある
●親族(相続人)が海外など遠方に住んでいるなど

2.年金の受給停止など役所関連の手続きの後(亡くなってから14日後~)

まず、死亡後14日以内に済ませなければならない手続きがあります。
個人が年金受給者だった場合、年金受給の停止手続き。
健康保険等の資格喪失届の提出と保険証の返還、故人が介護保険の被保険者だった場合は保険証の返還。
故人が世帯主だった場合は、世帯主の変更届の提出を死亡後14日以内にする必要があります。
これら諸々の手続きが終わり、ひと段落して時間にも余裕ができたタイミングで、遺品整理を始めるのも良いでしょう。

【役所関連の手続き後の遺品整理がおすすめな例】

●故人が賃貸物件や退去期限が早い施設に入居してた
●早めに遺言書や相続する財産を把握したい

3.四十九日法要の後(亡くなってから四十九日後~)

故人が亡くなって、四十九日目に多くの親族が集まり、執り行われるのが「四十九日法要」です。
一般的には、この四十九日法要をもって、喪に服していた期間は終了とされており、多くの親族(相続人)が集まることや、諸々の手続きも終わり落ち着いている時期でもあります。
そのため、親族や相続人たちでの話し合いや、相談し合いながら故人の遺品整理を行ったり、形見分けなどするのに「四十九日法要後」が最も良い時期で、遺品整理を始めるタイミングとして「四十九日法要後」をおすすめされるのが多いようです。

【四十九日法要後の遺品整理がおすすめな例】

●諸々の手続きを終え落ち着いてから遺品整理を始めたい
●親族(相続人)が疎遠だったり、海外にすんでいる
●形見分けも一緒に行いたい

4.相続税の申告期限前(亡くなってから10か月以内)

相続税の申告と納税は、故人が亡くなってから10か月以内に行わなければならないと法律で定められています。
もし期限を過ぎてしまうと、延滞料などが課せられる可能性があるので注意が必要です。
しかし、どのくらいの相続税がかかるのかは、遺品整理を行ない、故人の遺産の評価総額を把握しなければなりません。
査定が必要な不動産は土地の登記簿や権利書などが必要となるため、慌てて探し回ることのないよう、十分な余裕をもって遺品整理を行いましょう。

【相続税の申告前に遺品整理がおすすめな例】

●相続税の申告が必要
●落ち着いて遺品整理を始めるのに気持ちの余裕ができた

5.心の整理ができ、気持ちが落ち着いてから

賃貸物件でもすぐ明け渡さなくてもよい金銭的な余裕や、大家さんや管理会社の了承を得ている場合、持ち家などの場合は、急いで遺品整理を行う必要はないかと思います。

大切な人を亡くすということは、言葉では言い表すことのできない深い悲しみや寂しさ、喪失感が心の中を埋め尽くします。
そんな状態の中で、遺品整理を行っても正常な判断ができないかもしれません。
故人との想い出と向き合い寄り添いながら十分な時間を過ごし、心の整理が着いてから遺品整理を行うのも一つの方法だと思います。

ただし、相続税の申告と納付の期限が、相続の開始を知った日から、10か月以内と法律で定められており、期限の10か月を過ぎてしまうと「延滞税」や「無申告加算税」のペナルティが課せられます。
それを避けるためにも、一旦、多めに見積もった財産額を申告・納税し、その後改めて本来の財産額が確定次第「更正の請求」をすれば、多めに支払った分を還付してもらえます。
「更正の請求」の期限は「相続税の申告期限から5年以内」なので、気持ちを整理するためにも余裕があるかと思います。

以上、今回は「遺品整理」を始めるタイミングと時期をお伝えしました。

最初にもお伝えしたように、遺品整理を始める時期に正解はありません。
ご自分の故人を想う気持ちを大切にし、自分にとっても故人にとっても一番最良のタイミングをご家族や親族と話し合うことから始めて見てください。


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